第1編や第2編で発生原因や、悪影響を与える因子を学んだことを思いだして下さい。これらの悪影響因子をひとつずつ注意してみていくことが、褥創(床ずれ)予防の基本です。いろいろな予防用具や予防器具にはそれぞれ長所、短所があります。それではまず、エアーマットの落とし穴について説明します。
この褥瘡(床ずれ)講座、第1編を学んだ方には理解できると思いますが、まず圧力という面から考えた場合に、体重が減らない限り体圧を分散させるためには、より多くの面積で受けるしかありません。エアーマットの空気をパンパンに入れすぎて、身体が浮かび上がってしまった場合、当然エアーマットと身体との接触面積は減ってしまい、その分体圧は増加します(図1)。また、極端に空気が少なくショボショボの場合、接触面積が多いように見えても、すでに仙骨がついてしまい底つき現象を起こしてしまっている場合は最悪です(図2)。エアーマットの場合、底つきしないよう注意してより多くの面積で、体重を受けることが基本です(図3)。